自律神経失調症の正しい知識と対応を!

自律神経失調症に対して、あなたはどんなイメージをお持ちでしょうか。

よく聞かれるのは、「自律神経が乱れて頭痛や肩こり、動悸、慢性疲労、パニック障害、うつ病、起立性調節障害などの症状が起こる病気」「ストレスによる体調不良」「心配するほどの病気ではない」などといった、漠然としたものばかりかと思います。

実は「自律神経失調症」という正式な病名はありません。さまざまな病名の症状として、「自律神経失調症」というものがあります。ただ、一般的には病のように知られているうえ、中途半端な知識をもとに、「調子が悪くて病院にいったら、特に異常がない、といわれた。たぶん自律神経失調症だから、そのうち治るはず」と勝手な自己判断から十分なケアをせず、症状を悪化させてしまうケースが少なくないようです。

当院にもなかなか症状がよくならず、せっぱつまった様子の方が来られます。お話を伺うと症状が出始めたのは数年前で、市販薬を飲んだり、飲まなかったりしてきたとかで、症状をこじらせていました。またかなり長い間、自律神経失調症の治療をうけているのに症状が改善されないという方に関しては別の病気が疑われることもあります。

自律神経は身体の機能を自動的にコントロールする神経で、非常にデリケートです。そのため、ちょっとしたことでバランスを乱すと、コントロールに不具合が生じて、自律神経失調症という状態を招くのです。これは誰にもおこることなので、正しく知ってほしいと思います。

ここでは、自律神経や自律神経失調のことを始め、おもな原因とストレスのこと、関連のある病気についてもできる限りわかりやすく紹介していきたいと思います。自律神経失調症の症状も治療の進め方も人それぞれですので、ご自身の身体に起こっている状態をきちんと把握して、適切なケアの参考にされてほしいと思います。そして何よりも実践してほしいのが生活スタイルの見直しです。病気の種になりうる日常的なストレスや負担を軽減するための、対処の仕方を具体的にアドバイスできればと考えておりますので、予防も含めて生活の改善に努めてほしいと思います。

自律神経失調症で苦しんでいる方の多くは、はっきりとした以上や原因が特定されずに不安な気持ちを抱えたまま、医師から処方された薬に頼っているのが現状のようです。そのつらさから解放され、日常生活、社会生活をより豊かに楽しく遅れるようになることのお手伝いができれば・・・と『いっぽ』は思います。

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あなたのその症状 自律神経失調症かも!?

私たちは、日常的にいろいろなストレスにさらされていて、気づかないうちに抱え込んでしまっています。そんな状態が続くと、身体はリズムを狂わせ、心はバランスを失い、SOSのサインを発するようになります。自律神経失調症はそにような状態と言いえます。これは、誰にでも起こりうることです。自分の抱えているストレスに目を向けて、SOSが出ていないかをチェックしてみてください。

自律神経失調症チェックリスト

該当する項目が5つ以上あれば自律神経失調症が疑われます。

自律神経のトラブルはやっかいな病気!?

体調が悪いのに、病院で検査しても異常が見つからないケースが増えています。そんな場合、原因は身体ではなく、心が関係する、自律神経失調症が疑われます。

自覚症状があるのに異常がないとき・・・

体調が悪くて病院にいったところ、「悪いところは見当たらない」と言われるケースは少なくありません。疲れによる一時的な場合もありますので、まずは休養を心掛けて、様子をみることになります。

それでも症状が消えない、薬を飲まなくなったら症状がぶり返す、別の症状があらわれる、となると、たいしたことないと思っていた人も不安を膨らませてしまうでしょう。

さらに詳しい検査を受けたものの、相変わらず「異常がない」とされるケースの中には、自律神経が関係していることがあります。

原因は身体ではなく、こころにあるかも・・・

どんな状態に白、自覚症状があれば、原因はどこかにあります。それが身体に中れば、考えられるのは「心」。昔から「病は気から」「健全な精神は健全な身体に宿る」などといわれているように、心と身体との結びつきは深いのです。

こに場合に「心」とは「精神」を指します。ただし、精神は実体としてどこかにあるわけではなく、いわば脳が生み出すものです。

そんな心の影響を受けて身体の変調を招く原因を考えた時、最初に浮かぶのは自律神経であり、自律神経失調症が疑われます。

自律神経のトラブルは誰にでもおこる

自律神経は、全身のいろいろな臓器や器官とつながり、それらの機能を調節している神経です。そこに異常が生じたとしても、神経自体に炎症も痛みもなく、症状は身体にあらわれます。

これが自律神経のトラブルの特徴で、程度の差こそあれ、誰にでも起こり得るものです。初期段階ならちょっとしたケアで自律神経の働きを正常に戻せるので、症状が軽いうちに対処することが大切です。

ただ、自律神経は目で確認できないだけに、異常があるかの診断は専門医でも難しいといえます。さらに、命にかかわるような重篤な状態を招いたり、介護が必要になったりすることはないものの、一時的によくなっても、何度もぶり返し、長期化する傾向がみられるのは確かです。

自律神経は意識的に動かせない神経

自律神経は意思とは関係なく、生理機能を自動的にコントロールする神経です。だから、眠っている時でも心臓は休むことなく、規則的に動いているのです。

まず神経の仕組みについて知ってほしいと思います。

私たちの身体には、いろいろな神経が網の目のように張り巡らされています。それらは、身体が受ける刺激を感じ取り、組織や器官を反応させるように連携していて、まさに巨大なネットワークです。

中枢神経と末梢神経

神経は、その構造上から中枢神経と末梢神経とに分かれます。

中枢神経とは、脳と脊髄のことで、神経系の中心的役割を果たしているコントロールセンターです。

一方、末梢神経は、中枢神経と身体の各部位を結び、情報の伝達を行っています。通信網のように全身を広がるこの神経は、体性神経と自律神経の2つに分かれます。

体性神経には、目や鼻、皮膚などから受け取った刺激や情報を脳に伝える感覚(知覚)神経と、脳からの指令を筋肉やほね、関節などに伝える運動神経とがあります。ここでは体性神経の説明は省略します。

自動的に働く自律神経

自律神経は、各臓器や血管、分泌腺などに広がり、生命を維持するのに必要なさまざまな生理機能を自動的に調節している神経で、交感神経と副交感神経とがあります。

睡眠中でも規則的に心臓が動いて血液を送り出しているのは、自律神経がコントロールしているからです。走ると呼吸が荒くなったり、興奮すると血圧が上がったり、暑いと汗が出たりするのも、すべて自律神経の働きによるものです。

自律神経の2つの神経の働き

自律神経を構成する交感神経と副交感神経は、同じ器官に対して相反する作用をします。たとえば、交感神経は、血圧を上げ、心拍数を増やすのに対して、副交感神経は血圧を下げ、心拍数を減らすのです。

胃腸の働きといった例外はありますが、一般に、交感神経は生理機能を促進、緊張させてエネルギーを消耗させる神経で、車で言うアクセルのようなもの。そこで、交感神経を「身体を活動させる神経」といいます。

反対に、副交感神経は、抑制、休息させてエネルギーを保存、回復させるブレーキのようなもので、「身体を休ませる神経」です。

この2つの自律神経は、自動的に作用しますが、完全に切り替わるわけではありません。一方が強まるともう一方は弱まるなどして、繊細かつ巧妙にバランスを取り合っています。

自動的に切り替わる交感神経と副交感神経のリズム

1日の自律神経のリズム

自律神経の働きを1日単位でとらえると、日中は活動するために交感神経が優位になり、夜になると休みために副交感神経が活発になるようにプログラムされています。つまり、日の出とともに起床して日中に活動して日没後は休むという、もっとも自然な身体のリズムに、自律神経も同調しているわけです。

1ヶ月自律神経のリズム

女性は、妊娠・出産に備えて女性ホルモンを分泌し、毎月、排卵と月経を繰り返します。この月経サイクルは自律神経をコントロールしている視床下部が指令を出しているので、どちらも大きく影響し合っています。

1年の自律神経のリズム

夏は暑いので交感神経が優位になり、体温を調整します。また冬は寒さや日照時間の短縮などにより、副交感神経が優位になり、活動が鈍る傾向がみられます。さらに、季節の変わり目になると、自律神経のバランスは乱れやすくなります。

ライフサイクルでの自律神経のリズム

幼児期~少年期

【副交感神経が優位】

栄養をとり、よく眠ることで成長していく時期。日中にしっかりと運動し、夜は落ち着いた環境で良質な睡眠をとることが、心身の発育・発達に重要。基礎体力や免疫力を高めるためにも、基本的な生活習慣を身に着けることが大切です。

青年期~成人期

【交感神経が優位】

活動的になり、筋力や学力をつけるのに最適な時期ですが、二次性徴を迎えてホルモン分泌が活発になり、情動的に不安定になりやすい時期でもあります。睡眠不足や偏食に気を付け、心身のバランスを崩さないように注意することが大切です。

熟年期

【交感神経が優位】

仕事、結婚、育児など、人生が最も充実する時期。労働時間が増えるとともに、社会や家族、親せきなどとの関わり、それに伴う責任などが大きくなってきます。気が付かないうちに心身に大きなストレスを受けやすくなるので、注意が必要です。

更年期~老年期

【副交感神経が優位】

体力がおとろえ、抵抗力が弱まる時期。更年期の身体の変化

定年退職による空虚感や孤独感などを覚えたり、病気や老いへの不安を抱えたりするようになります。こうしたストレスに対して、適切な活動や栄養などのケアが必要になります。

自律神経を動かす脳の働きと感情の変化

自動的に働く自律神経に指令を出しているのは、脳の視床下部というところです。脳の構造やそれぞれの役割を知ることも、自律神経を理解するうえで重要です。

自律神経をコントロールする脳の働き

自律神経が本人の意思に関係なく自動的に働くといっても、勝手に作用しているわけではありません。交感神経も副交感神経も脳の支配を受け、そこからの命令によってバランスよく作用しているのです。

脳は、大脳、間脳を含む脳幹、小脳に分けられます。大脳は脳全体の80%ほどを占めるほど大きく、思考、感情、言語、記憶などをつかさどる大脳皮質と本能的欲求や情動を生み出す大脳辺縁系とに分かれます。

大脳の奥深くにあるのが間脳で、ここには感覚器からの情報を受け取る視床や「本能の座」といわれる視床下部などがあります。この視床下部が自律神経の司令塔です。

そして、間脳の下には「命の座」といわれる脳幹があり、その後ろ側には身体のバランスや運動にかかわる小脳があります。

自律神経を支配する視床下部

両目の奥、図解骨の中心付近にある、直径1~2cmほどの小さな部分です。ここが自律神経を直接支配していて、生命維持のために呼吸、循環、体温、発汗、免疫などを調節しています。また、視床下部はすぐ下にある脳下垂体という、ホルモン分泌の中枢も支配しているので、自律神経はホルモン分泌の影響を受けやすいのです。

本能や情動担当の大脳辺縁系

本能的欲求や情動などをつかさどっているところで、「情動脳」「原始脳」などとも言います。食欲、性欲、睡眠欲などといった本能的に欲求や、喜びや怒り、悲しみなどの情動はここから生まれます。その欲求や情動は、下にある視床下部に伝わることから、自律神経は大脳辺縁系の影響も強く受けています。

考えや記憶担当の大脳皮質

運動や感覚、言語、判断、思考、創造などの高度な精神活動をつかさどっているところで、人類の進化と共に発達したことから、「大脳新皮質」とも呼ばれます。前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに区分されていて、それぞれに役割を分担しています。そして人間らしい行動や思考を生み出しています。

自律神経は感情にも反応する

急に目の前に何かが出現したり、階段から落ちそうになったり、怒りが込み上げてきたりしたときに、心臓がどきどきしたり、身体が震えたり、顔から血の気が引いたりといった経験は誰にでもあるでしょう。

急激な驚き、恐れ、怒りなどの感情は、情動といって大脳辺縁系がつかさどり、視床下部に直接届くことはありません。ところが、視床下部は、すぐ上にある大脳辺縁系に生じた感情の刺激を受け、自律神経に指令を発してしまうのです。つまり、自律神経は、間接的に大脳辺縁系の影響を受けるということです。

また大脳皮質も自律神経とは無縁ではありません。飛行機嫌いの人が飛行機に乗ることを考えただけで冷や汗がでたり、好きな人とのデートを空想してドキドキしたりすることでも想像がつくでしょう。大脳皮質の思考情報が、すぐ内側の大脳辺縁系で恐怖などの感情を引き起こし、視床下部に情報が伝わってしまうのです。

感情に反応する自律神経のパターン

【持続的な不安や緊張にさらされた場合】

交感神経、副交感神経ともバラバラに働き、精神的なストレスから体調を崩しやすくなっている。

【失望、抑うつ、悲哀などを感じている場合】

交感神経、副交感神経とも働きが低下し、活動レベルも下がり、食欲、睡眠などが妨げられる。

【恐怖、驚き、激しい怒りなどが急に生じた場合】

交感神経が極度に興奮して、短時間のうちに、感情と相対関係にある器官に強い反応があらわれる

【のんびりと休息をとり、リラックスしている場合】

副交感神経が優位になり、ほとんどの器官や感情は、興奮から解放されたように安らぐ

精神活動に関与する神経伝達物質

脳内の神経細胞間の橋渡しとなる神経伝達物質の中でも、代表的なドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンはストレスによる心の状態と密接に関係している脳内ホルモンとして、よく知られています。

一般に、ドーパミンは快楽のホルモンとして快感ややる気を起こし、ノルアドレナリンは怒りのホルモンとして、興奮や不安、恐怖を引き起こし、セロトニンは精神を安定させるホルモンとして気持ちを落ち着かせます。中でもセロトニンには過剰なストレスで自律神経をみださないように、ドーパミンとノルアドレナリンの暴走をコントロールする働きもあり、セロトニンが正常に分泌されていると、健全な精神状態を保つことができます。

自律神経のバランスが崩れるとき

自律神経のバランスを崩す直接の原因は、脳が混乱を起こしているからです。そんな状態を招く原因は、日常生活の中に数多く潜んでいます。

脳が混乱して自律神経のコントロールを失う?

脳は、その機能からコンピュータと比べられますが、それ以上のもの。フリーズもせずに能力以上の力を発揮する一方、機械ではないので思わぬところで働きがぬぶくなったり、混乱したりすることがあります。特に理性が働いて本能を抑制しようとする時は要注意です。

忙しい現代社会では、休みたいのに休めなかったり、激怒しているのに平静を装ったりすることは、日常茶飯事です。このようなとき、大脳辺縁系では休息の欲求や興奮が生じているのに、理性をつかさどる大脳皮質では意に反する行動や態度を命じます。

理性と本能が対立しても、バランスがとれていれば問題はありませんが、不自然な状態が長く続けば大脳皮質と大脳辺縁系との間にひずみが生じます。それぞれの領域は別とはいうものの、視床下部や錯綜する情報に振り回されて自律神経を適切にコントロールできなくなり、交感神経と副交感神経との切り替えに支障が出てきてしまいます。

※ホルモン分泌や免疫機能への悪影響

ホルモンは、身体の成長や代謝、生理機能を潤滑に活動させるために分泌される体液で、多すぎても少なすぎてもさまざまな異常を引き起こします。また、免疫機能は侵入してきたウイルスなどの異物から身体を守る、いわゆる抵抗力と呼ばれるもので、免疫が下がると病気にかかりやすくなります。

ホルモン分泌も免疫機能も、司令塔は視床下部ですから、自律神経が乱れれば他の2つにも悪影響が出るということです。その結果、身体を一定の状態に保とうとするホメオスタシスも機能できなくなります。

身体のリズムを乱すさまざまな刺激

脳の混乱を招いて自律神経のバランスを乱す要因は、いろいろあります。不規則な生活リズム、睡眠不足、生活環境、季節の変化、騒音、不安、悩みなど、心身に悪影響を及ぼす刺激は日常にあふれているのです。

刺激とはストレスになるもので、ストレスが健康を害することは、誰もが認識するようになりました。これが自律神経のバランスを乱す最大の要因と見られています。

具体的には、昼夜を問わない都会的な生活、深夜に及ぶ残業・接待、テレビ、パソコン、ゲームへの長時間の熱中、夜更かし、感情の抑制、人間関係のトラブル、不安、プレッシャーなど、身体的なものもあれば、精神的なものもあります。これらのストレスがたまりすぎてしまうと、身体のリズムを乱し、自律神経のバランスを崩します。

自律神経失調症のおもな症状

自律神経が失調状態になると、症状は身体のいたるところにあらわれます。しかも定番といえる特徴的な症状はなく、そのパターンも程度も千差万別です。

症状は身体のいたるところにあらわれる

自律神経は、身体のいろいろな臓器や器官をコントロールしている神経なので、バランスを崩した時に引き起こされる症状は、さまざまな場所にあらわれます。

身体的には、頭痛、耳鳴り、動悸など、身体の特定部分の他に、だるさや微熱などの全身にあらわれる場合もあります。また落ち込みや不安といった精神症状を伴うことも珍しくありません。

症状は、広範囲に及んでいるだけでなく、定番となるものがありません。同じ器官でも、張りや痛み、だるさなど、人によってかたちが変わります。

症状のパターンも個人差が大きい

自律神経失調症は何となく身体がだるい、疲れが取れない、胃が重い、肩がこるなど、ちょっとした違和感や不調が気になるところから始まります。

症状は、心身の弱い部分い出やすいといいます。とはいえ、同じ状態がずっと続く人、一進一退を繰り返す人、関連のない複数の症状に悩まされる人、症状が次々にかわる人など、個人差が大きいのも特徴です。

また程度もいろいろです。症状が消えてなくても普通に日常生活を送れる場合もあれば、寝こみほどつらい場合もあります。

各器官にあらわれやすいおもな症状の特徴

〇頭

こめかみのあたりが「ズキズキする」「鈍く締め付けられる」など。これは交感神経の緊張状態によって末梢血管が収縮し、血行不良を起こすことが原因

〇目

「目が疲れる」「かすんでみえる」「焦点が定まりにくい」「乾いている感じがする」「目の奥が痛い」など。これらは交感神経の緊張による血行不良が原因だが、副交感神経が優位のときは、涙腺の分泌がふえて涙目になる。

〇口

緊張してないのに「口の中がカラカラに乾く」、口の中や舌に異常がないのに「チクチクと痛む」「苦みのような味を感じる」など。

〇耳

ザーという耳鳴りの他、耳の奥がつまっていて音がクリアに聞こえない。

〇のど

のどのあたりの圧迫感やイガイガ感、飲み込むときの異物感など。

〇呼吸器

普通に呼吸をしているのに「酸欠感や息苦しさを感じる」、横になると、「息がつまり、苦しくて寝ていられなくなる」など。副交感神経が強く働き、気管支周辺の筋肉を収縮させるのが原因。

〇消化器

胃腸は精神的な影響をもっとも受けやすい臓器なので、「吐き気がする」「お腹が張る」「胃がもたれる」「お腹がよくなる」「便秘や下痢に悩まされる」など、症状はいろいろ。

〇心臓・血管系

「急にドキドキすr」「息切れや不整脈を感じる」「胸の締めつけや圧迫感がある」など。心臓は自律神経の乱れを受けやすく、とくに交感神経が興奮すると鼓動や心拍がぐっと上がるほか、血圧の上昇も多くみられる。

〇手足

「しびれる」「力が入らない」「感覚が鈍い」など。末梢神経への血液循環が悪いので、夏でも手や足が冷たい場合もある。

〇筋肉・関節

血行不良による「肩や首のこり」「関節のだるさ」など。コリがひどくなると筋肉は固くなり、動かすだけで肩甲骨周辺まで痛くなることがある。

〇皮膚

「カサカサする」「痒くなる」などで、がまんをできずにかき始めると、痒みが強くなったり、周囲に広がったりする。

〇泌尿器

頻尿、残尿感、排尿痛など。交感神経は排尿を促し、副交感神経は尿を溜める作用があるが、この排尿のリズムも乱れる

〇生殖器

女性に多いのは月経不順や外陰部の痒みなどで、男性の場合は性欲減退や勃起不全など。自律神経の乱れに加えて、性ホルモンの分泌の乱れも影響している。

全身にあらわれやすいおもな症状の特徴

〇倦怠感・疲労感

代表的な症状の一つ。思い当たる原因がないのに「全身がだるい」「休んでも疲れがとれない」「何をするにも億劫」「朝起きるのがつらい」など

〇微熱

熱っぽく平熱よりは高いけれど、それ以上にはならない状態。別の病気が原因の場合もあるが、治療を続けても症状が続く場合は要注意。

〇ほてり・冷え

暑くもないのに、「顔がほてる」「汗をかく」など。汗は全身というより、首から上や手のひらなどに多い。とくに更年期の女性に多い。また、ほてりとは逆に夏でも手や足先、腰が冷える場合は、体質や生活習慣が原因で、若い女性に多くみられる。

〇めまい・たちくらみ

急に身体を動かしたときに、目の前が暗くなってふらふらする程度の軽いものが多い。重度で単独の症状であれば別の病名がつく。

〇食欲不振

長時間たべていないのに、「空腹を感じない」、好物のものでも、「食べたいと思わない」「のどを通らない」など、食欲がない。

〇睡眠障害

「疲れているのに眠れない」「やっと眠れたと思ったら、すぐに目が覚める」「寝つきが悪い」「熟睡できない」「途中で何度も目が覚める」「いつも眠い」など、いろいろなタイプがある。

精神面にあらわれやすいおもな症状の特徴

〇不安・恐怖心

特に理由もないのに「不安を感じる」「落ち着かない」「憂うつな気分が続く」「すぐに落ち込む」「ネガティブにしか考えれられない」など

〇集中力や記憶力の低下

「物事に集中できない」「慣れているのになかなかはかどらない」「考えがまとまらない」「大切なことを忘れる」など。

〇無気力感

「何をするのも億劫になる」「面倒で何もする気が起こらない」「興味が持てない」「意欲がわいてこない」など。

〇イライラ、怒りっぽい、情緒不安定

ちょっとしたことで「イライラする」「腹を立てる」「攻撃的になる」「周囲に当たり散らす」ことをしたかと思うと、急に「悲しくなる」「自分を責める」など、情緒が不安定になる。